lucciora’s diary 蛍日記

共感する魂を求めて

イタリアが好きな100の理由  ◆ヴェネツィアン グラス◆

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イタリアの中でもヴェネツィアが好きです。

写真(手前)は20代のころイタリアに留学していた時に、私を訪ねてきた母とイタリア内を旅行して、ヴェネツイアで母が買ったもの。その母が亡くなり、今は私の手元にあります。

買った日のことは今でもよく覚えています。ヴェニスの町中を散々歩き回って沢山のヴェネツィアングラスのお店をのぞいた後、兄のお嫁さんへのお土産にと、このグラスを買った母。・・・しかし、ホテルに帰って「やっぱりどうしても自分の分にもこのグラスが欲しい!」ということになり、翌日もまた結構な道のりを歩いて同じお店に行ったのでした。(笑)

でも、このグラスとても綺麗で気に入っています。あの時母が買ってくれて良かった。なんとも言えない微妙なガラスの色彩、ガラスなのに何かぬくもりを感じさせるのは、職人さんが一つ一つ手作りしているからでしょうか。

真っ赤に溶けたガラスに息を吹き込んで膨らませて転がして。

ガラスはもともと大好きで、日本のものや古代ガラスも好きですが、ヴェネツィアングラスは一目見ただけで、人の気持ちをうわあ!と感動させる魅力があります。

 

ヴェニスはイタリア屈指の観光地でもあり、夏は観光客の多さや運河のにおいがひどいなど色々言われますが、私にとってあの町はやはり特別ユニークで美しい町。「ナポリを見て死ね」ということわざもありますが、「ベニスに死す」というヴィスコンティの映画もありました。あの町を見れて良かった。

 

ヴェネツィア派の絵画の色彩が美しいのは、光の中に水の要素が多く含まれていて、色が鮮やかに見えるからだと聞いたことがあります。

キラキラしている。そう感じるのです。

 

町の中を運河が流れていて水上バス(船)で移動。車は通れないので、歩きか自転車というのも良いです。地元の人は自家用船も。観光客はゴンドラに乗ったり。

 

私はベニスビエンナーレという美術の祭典の時にも何度か行ったのですが、夕暮れ時に水上バス(ヴァポレット)に乗った時に見える、ゴシック、バロック時代の建物が運河沿いに建っていて、ランプの灯りでライトアップされている様はまさしく幻想的で、何百年も前の街に紛れ込んだような気持になります。

そうですね。きっと古いものが大好きなんです。

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イタリアには4年くらい留学していましたが、その経験は結局、今の自分には現実的には役立ってはいません。けれど自分の人生の中で、そして心の中ではかなり大きな広がりを今でも持っています。

日本に戻ってきた時、知人に「全然イタリアナイズされてないね」と笑われた私。いわゆるイタリア人らしさのイメージ(mangiare,amore,cantare=食べて、愛して、歌って・・・)からはたしかにほど遠い人間なのですが、そんな私にとっても、イタリアは特別で愛すべき大切な国です。

 

帰国して早20年以上…今でもイタリアに何人か友人がいます。

コロナの被害がヨーロッパの中でもひどかったイタリアの情報を見ると、胸が痛みます。日本も状況も良くはないですが、ヨーロッパの医療崩壊の状況を見ると悲しくなります。

 

コロナウィルスの最も恐ろしいところは、悪化してもう命が助からない、となったときにすら、感染を避けるために、親しい人と隔離されて、人生最後の大切な時間を孤独に過ごさなくてはいけないことなのではないかと感じています。本当は大切な人たちに囲まれて過ごすべき大切な時間を。

そんなことをつらつらと考えているうちに、イタリアの好きなところを自分なりに綴ってみたくなりました。そうすることで自分なりのエールを送っているつもり。

そして、あらためてイタリアのどんなところが自分の心を捉えたのだろう…と考えてみたくなりました。人生も折り返し地点を過ぎたと思うので、自分自身のふりかえりにもなりそうだし。

100の理由、といっても100書くかはわかりませんが、たくさんあるなということで100に。「理由」というほどのことでもなく、イタリアの好きなものをあげてみようかと思っています。

1年以上、ブログを書けませんでしたが、またよろしくお願いします。