lucciora’s diary 蛍日記

共感する魂を求めて

読書・備忘録

ユング「魂の現実性(リアリティ)」河合俊雄(著) 備忘録2

顕在意識は意識全体の3~10%、潜在意識は90~97%という話がある。 意識は氷山の一角… 子供のころからよく夢を見た。自分の生きている現在の生活からは程遠い内容だ。忍者になることもあったし、どこか古代のギリシャ神殿のような場所にいたり、何度か戦争…

イタリアが好きな100の理由  ◆アッシジのフランチェスコ◆

聖フランチェスコの歌 主よ、 わたしをあなたの平和の道具としてお使いください 憎しみのあるところに愛を 争いのあるところに許しを 分裂のあるところに一致を 疑いのあるこころに信仰を 誤りのあるところに真理を 絶望のあるところに希望を 闇に光を 悲し…

私たちはどこから来て、どこへ行くのか …(2)

ウディ・アレンの「ミッドナイト・イン パリ」を観た。とっても愉快な気持ちになった。 前回の「前世」についてのブログにひきつづき、この映画も「時間と空間の境界線を超えて」しまうお話だった。 きっと自分が本当に会いたい人には会えるんじゃないか。会…

私たちはどこから来て、どこへ行くのか…(1)

「ねぇ、前世ってあると思う?」 最近、友人の女性に聞かれた。 都内にあるスパニッシュ様式の古い建物を偶然見たとき、その重厚な美しい扉に目が惹きつけられ、説明のつかない感情でいっぱいになり急に涙がとまらなくなったという。 「その扉をずっと昔から…

「星の肉体」水原紫苑著より―短歌

興福寺少年阿修羅にかなしみを与えし仏師の背や広からむ 風狂ふ桜の森にさくら無く花の眠りのしずかなる秋 死者たちに窓は要らぬを夜の風と交はる卓の薔薇へ知らせよ うつくしき弥勒となりしあかまつのいたみをおもふ幸ひとして 水原紫苑さんの「星の肉体」…

小説「ポニーテール」を読みました。

ポニーテール 「だいじょうぶ。おねえちゃん、強いから」 「でも・・・」 「ほんとよ。マキってね、ひとりぼっちに強いの。みんなと無理してベタベタくっつかなくても平気な子だから」 「・・・・・友達がいなくても平気なの?」 「いないんじゃなくて、まだ…

静かな人の力…内向型人間の時代

内向型人間の時代/スーザンケイン著 より 備忘録的に書き写しています。 多くの内向型は同時に「過度に敏感(ハイリ―・センシティブ)でもある。この言葉は詩的に聞こえるかもしれない。心理学で実際に使われている表現だ。敏感な人は普通の人よりも、ベー…

気質の北極と南極

内向型人間の時代/スーザンケイン著 より 備忘録的に書き写しています。 私たちの人生は性別や人種だけでなく、性格によっても形づくられている。 そして、性格のもっとも重要な要素は、ある科学者が「気質の北極と南極」という言葉で表現した、内向・外向…

「内向型人間の時代/スーザン・ケイン」を読み始めました。

「内向型人間の時代/スーザン・ケイン著」を読んでいます。 最近、心理学の分野で、HSP(ハイリ―センシティブピープル)という 「とても敏感な人たち」の特性についての研究と共に、「内向型」というユングのころからもあったテーマも割とよく目にするな…

星野道夫さんのことば

星野道夫さんの言葉。 ――― きっと、同じ春が、すべての者に同じ喜びを与えることはないのだろう。 なぜなら、よろこびの大きさとは、それぞれが越した冬にかかっているからだ。 冬をしっかり越さないかぎり、春をしっかり感じることはできないからだ。それは…

流星ワゴン

流星ワゴン ーーやっとわかった。 信じることや夢見ることは、未来を持っているひとだけの特権だった。 信じていたものに裏切られたり、夢が破れたりすることすら、 未来を断ち切られたひとから見れば、それは間違いなく幸福なのだった。 ドラマにもなった重…

歴史と感情/集合無意識

シュタイナー教育を語る / 高橋巌より 「感情は時間の中で存在しており、空間の中では存在していないということです。過去と現在と未来は、大体感情で結びついていると言ってもいいくらいです。歴史というのは、一言でいうと、人類的規模での感情の集大成、…

メランコリアーそして、憂鬱の逆転

メランコリア。憂鬱。 今更ながら、シュタイナーの気質についての文章を読んでいて、以前から親しみのある一枚の版画を思い出す。 アルブレヒト・デューラーのメランコリア。 シュタイナーも、四体液説から、人間の気質について自論を展開していったようだが…

恋と信仰

良寛と貞心尼の歌のやりとりを美しいと思う。 恋なのか、信仰心なのか。 ただ、ひたすら、どこまでもついていきたいと思う「絶対」な存在。 親鸞の法然への信もまた。 なかなか出逢えるものでもないけれど、 人生の導師とは、そんな気持ちを喚起する存在なの…

うらをみせ おもてをみせて 散る紅葉

「外は良寛」/松岡正剛著より 備忘録的に、文章を書きうつしてきました最終回です。 ・・・・ ついに良寛の最晩年です。体もだんだん弱っている。しかし良寛は六十歳をこえて二人の女性と親交をむすびます。 貞心尼は小さなころからの文学少女です。詩歌ば…

ひふみよいむな…一二三四五六七…

備忘録のように書き写してきた「外は良寛」松岡正剛さん。 「ひふみよいむな」はどのへんから出てきたのか、おもしろい話がいっぱいありました。もう少しで読み終わりそうです。 ーーーーー 良寛の書のなかでもとりわけすばらしいものとして、たった3字の「…

風の便りにつくと答えよ…「外は良寛」より

「外は良寛」/松岡正剛著より 備忘録的に、文章を書きうつしています。融通無碍でフラジャイルな寂しがりやの良寛さん。自由な風のような良寛さん。 「良寛はいつも人恋しかったのではないかと思うのです。かなりの淋しがり屋にほかならないのです。だいた…

「連音」する「連字」ーー「外は良寛」より

「外は良寛」松岡正剛著より/備忘録3 良寛の詩歌には「つつ」という言葉がたびたび出てきます。 霞立つ長き春日を子供らと 手まりつきつつ今日も暮らしつ 手毬をつきつつ今日も暮らしているというのは、単に手毬をついて今日も暮らしているということとちが…

外は良寛 / 松岡正剛著 備忘録

ひきつづき「外は良寛」松岡正剛著より… 世の中に交じらぬとにはあらねども 一人遊びぞわれはまされる 良寛の一人遊びは手毬とおはじきです。良寛には、特に手毬はぴったりだったかもしれません。手毬ははぐれていくリズムを持っているからです。 はぐれるリ…

外は良寛/松岡正剛著よりーーまたその中にあわ雪ぞ降る…

松岡正剛さんの「外は良寛」を読んだ時のメモ。2007年の日記より。 良寛さんの歌「うらをみせおもてをみせて散るもみじ」は生と死の表裏一体を思わせて、かつやさしく大好きな歌である。 あらためて良寛さんの書を見ていると、詩人の吉増剛造さんの文字を思…

非時と廃墟そして鏡…あの頃の記憶

廃墟に入って写真を撮ることにハマっていた時がある。 誰もいない、時間の止まった工場の中や、建物の中を探索するのは、 特殊な経験だった。 初めて乗る電車、全く知らない駅で降り、カメラを背負ってフェンスを越えて… 1人で行くのもちょっと危険な気がし…

人生のほんとう/池田晶子著 備忘録4

ひきつづき…『人生のほんとう』より 語りのレベル p172 私はさきほど、「善く生きる」といいましたが、同時に「どうでもいい」と言っています。これは矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、矛盾していません。あるいは矛盾しているといってもいいで…

人生のほんとう/池田晶子著 備忘録 3

引き続き・・・人生のほんとう/池田晶子著 より p150 ヘラクレイトスの断片を、もう一つ紹介しておきます。 この人は魂についての言葉をずいぶん残していて、それは非常にうまいなと思います。 ピュタゴラスよりも、私は面白く感じます。 「生きているあいだ…

人生のほんとう/池田晶子著 備忘録2

ひきつづき・・・ 『人生のほんとう』/池田晶子より 第5章「魂」より p144 私は輪廻転生の思想というのは 人間が自己の何であるかを考えていった場合に 必ず現れてくる根強い一つの型だと思っています。 自分の何であるか、この魂はなぜこうなのかというこ…

人生のほんとう/池田晶子著 備忘録 1

人生の本当/池田晶子 著より ヘラクレイトスの断片p136 ヘラクレイトスという私の非常に好きな哲学者、というより哲人なんですね、この人は面白い断片を残しています。「不死なるものが死すべきものであり、死すべきものが不死なるものである。かのものの死…

シーシュポスの神話ー創造と苦しさと喜びと

カミユの「意思も一つの孤独である」という言葉に惹かれて、私も 「シーシュポスの神話」を読んでみた。ちなみに、その言葉に出会ったいくつかの記事の中のひとつが、下のブログだった。 カミュの言葉についての考察その他、本や映画をまたいで、テーマを探…

カミュにとってのヴェイユ

孤独感とは何処からくるのだろう。 ネットをブラブラしていたら、カミュの言葉に出会った。 『意志もまた、一つの孤独である。』 カミュ カミュはよく知らない。中学生のころに、異邦人を読んだだけだ。 だが、シジフォスの神話についてのカミュの文章は読ん…

ユング 魂の現実性(リアリティ)/ 河合俊雄著 備忘録

魂のリアリティ カラバッジョ作 ナルシス 1597-1599年ごろ ユング派の心理分析家の河合隼雄さんが大好きで、本も結構読んでいる。 人間の「心」というものの、深さ、複雑さ、重層的なあり方。 それらを知り尽くした隼雄さんの視線は、きれいごとだけでは済…

相互的な出会いについて…「モカシン靴のシンデレラ」

中沢新一著 「モカシン靴のシンデレラ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーあらすじミクマク版シンデレラにおいて、「王子」は「ふつうの人には見えないひと」であった。 その人は偉大な狩人で、守護神は霊界の最高者であるヘラジカだった。この人のお世話は…

吉増剛造著「我が詩的自伝ー素手で焔をつかみとれ」

もう、遊ぶことのないフェニキアの舟のかわりにーーー茴香(ういきょう)の黄色い花が咲いていた わたしたちの魂は、その石段を静かに下るーーー下るほどに(空の道の)甘い香りがしていた。 吉増剛造 「死の舟」より 4月に出た「我が詩的自伝ー素手で焔をつ…