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2017-12-08

映画「火花」―誰が時代を作っているのか?

映画 想起・雑記

youtu.be

 

先日、映画「火花」を観てきました。

中学時代からの友達と、映画を観てランチしようかということになり、

吉祥寺のオデオンで観てきました。

 

…じつは私はお笑い番組とか全然見ないし、笑いのセンスもまったく無いのですが。

原作の「火花」はあふれるような言葉のエネルギーが面白く、

一気に読んでしまいました。

それで、どんな風な映像になるのか、ちょっと観たくなりました。

 

レビュー見ると大抵皆さんが書いてますが、菅田くんて才能ありますよね。

若いのに、自分とは全く別の経験をしている人のことを、リアルに演じるって

すごい感性。

実際うまい、と思うのですが、それ以上に「観ている人に共感を起こさせる能力」

とでもいうのか…、ひきこまれます。

自分の中にもあったよな、こういう時間、こういう表情、こんな風景、

友達のセリフ。 

 

映画の中で、徳永と神谷の漫才の相方をやってる芸人の方たちも、

当然のことながらリアリティあって、それぞれすごく良かったし、

桐谷健太の神谷役もよかったです。

 

原作の中で徳永が語る、神谷への気持ちの変遷、10年間の時の中でも心の機微、

それらすべては、言葉としては短い映画の時間には入りきらないのですが、

映像としての説得力はあります。

 

個人的には、原作のあふれるような「言葉」の中にあるもの、

そう火花、というより、本の表紙の絵みたいな、

心の中のマグマみたいな「熱」みたいなもの、

それも好きだったのであわせて観て欲しい作品。

 (以下若干のネタバレになるかもしれません。)

 

神谷は結局、自分のなかの笑いに対して純粋であるがゆえに、そして

ある意味エキセントリックというか、社会の枠からはみ出してしまっているがゆえに、

社会的には受け入れられず、だんだんと自分の本質すら見失いそうになるのですが・・・。

結局、芸人をめざしても、ほんの一握りの人間しか残らない。

ほとんどの人間はその世界から、シーンからは消えていく。

それは、あらゆる表現に関わることはすべてそうだと思います 。

音楽も、アートも、舞台も、身体表現も、文学も…。

 

だけど、神谷が喝破するように、シーンにあがってこない無数の人間も、

やっぱりその時代を作っているんだと。

シーンの裏側でさまざまな役割を演じてるんだということ。

そういう意味では、一緒に作ってるんだという事を思っていいんだと。

そう、みんな参加しているんですよね。

心のなかの燃えカスが、ちょっとうずいたシーンでした。

 

 

 

lucciora 2017-12-08 12:14 読者になる

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