lucciora’s diary 蛍日記

共感する魂を求めて・・・。 自分の心に響いてきた本、映画、表現など、備忘録的に書き留めています。どうぞよろしく。

願わくば 花の下にて…

f:id:lucciora:20180328223025j:plain

大切なひとが、永遠の世界へと旅立ったことを知った。

何となく予感があった。

不思議なほど、静かな気持ちで受け止めている。

 

桜の満開の季節に、旅立つことはとても似合っているのかもしれない。

西行が好きな、たくさんたくさん旅をした人だった。

 

願わくば花の下にて春死なん

その如月のもちづきのころ

 

どれだけたくさんのものを、与えてくれたのかわからない。

穴の開いた袋のように、受けても受けても

流れていってしまったものが沢山あったのに、

おおらかに笑いながら、屈託なく与えてくれた。

大きくてあたたかい包み込んでくれるようなひとだった。

 

人と人はどこで出会っているのだろう。

物質のレベルだけではなく、目には見えない「心」の場所があって、

確かにそこの場所で出会えたひと。

そう思った人は、私にとってはこの人生では、ほんのわずかだ。

 

ある時間、深くかかわり、語り合えたことの奇跡に、感謝している。

そこで目に映った風景の鮮やかさ、美しさ、光の明度。

花の香りのかぐわしさや優しさ、

言葉が魂に触れることができること。

心からの信頼。

 

神への信仰に命をかける人は、その信仰を失うことがあるかもしれない。

だが、神そのものに命をかける人は、決してその命を失うことは無いであろう。

全然触れることのできないものに命をかけること。それは不可能である。

それは死である。が、それが必要なのだ。

 (シモーヌ・ヴェイユ 「重力と恩寵」より)

 

 

あたらしい旅は、きっと光輝く空間への旅なのだろう。

Buon Viaggio! 

そしてまた、いつか会えるときまで。

その時まで、私もひとつの魂として、成熟していけるように。