今年は桜の満開になる少し前に雨が続いて散ってしまった花もあるけれど、
今日は天気がよく花見にふさわしい感じだった。
散る桜 残る桜も 散る桜 (良寛)
願わくば 花の下にて春死なん
その如月の望月の頃 (西行)
さまざまなこと思い出す桜かな(芭蕉)
春が好きだ。春の夜はとくに、なにか心がざわざわしているような、わくわくしているような、そんな心地がしていた10代の頃を思い出して懐かしく感じる。
桜を詠んだ俳句や和歌のことばや音に含まれた、日本人の自然や風情に対する感覚のみずみずしさや豊かさ、鋭さにふと感じ入ってしまう。
桜や満月、春の夜の香り、自分ももう何十年も繰り返し見てきた桜と、その時々の心を思う。
センチメンタル。
象徴的な桜の光景が根底に広がっている、一方で同じ桜は2度と咲かないと感じている一回性の儚さが心で響いて触れ合っているみたいだ。
今日は富士山も真っ白で青空に映えて美しかった。
大切な人たちのことを思い出す春の夜。