声のマ、全身詩人、吉増剛造展。いってきました。
声ノマ 全身詩人、吉増剛造展
2016.6.7 - 8.7(東京国立近代美術館)
行ってきました。
久しぶりの剛造ワールドに浸ってまいりました。
朗読パフォーマンスをする吉増剛造 Photo: Sayuri Okamoto
〈日記〉より 1961-64年 Photo: Kioku Keizo
《沖縄の炭坑夫さん》 制作年不詳 Photo: Kioku Keizo Ⓒ Gozo Yoshimasu
文字、文字、文字、文字......
文字の氾濫。洪水。ですね。
詩の原稿や、二重露光の写真、銅板に文字を刻印した作品、 映像作品もあり、
久しぶりに吉増ワールドにどっぷり浸かってしまった。
日記がかなりたくさん展示してあるのですが、詩人としての
心の中の決意が固まって行く様がありありと感じられて、
それが私個人的にはとても良かったです。
20歳くらいの頃の日記とか、面白かったですね....
全部見れるわけではなく、日記一冊につき、あるページが開いた状態で展示してあり。
これらの選ばれた日の日記は、あとで振り返ってみれば、今の吉増さんへの道のりを示す、キッカケとなった日だったのかなと思える日記もありました。
21歳ごろの日記で、
俺はいったい何をして生きていくのか?などと悩み、
自分にできそうな仕事を羅列し(中に船乗り、というのもあり、丸で囲んであった。笑)
その下に詩人→職業ではない
と書いてあったのが、印象に残りました。
吉増剛造さんにこんな時代あったんだなーと、なんだかとても楽しくなりました。
その時には見えなかったことが、
今こちらから見れば、あぁ、あの時そんな事考えたよね、と思う。
ある日記には、
自分に向かって真正面から唾を吐くような、こき下ろすようなことを言ってくるような、
そういう相手こそ(表現は違ったかも)必要なのだというようなことも書いてあり、
そして、自分はそういうことに対して、
全く平然としていられるような人間にならなくてはいけない、というようなことが書いてあり…
すごい覚悟だなと。でも、そうなんだなと、非常に深いところで納得しました。
静かに充たされた時間でした。