lucciora’s diary 蛍日記

共感する魂を求めて

静かな人の力…内向型人間の時代

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内向型人間の時代/スーザンケイン著 より

備忘録的に書き写しています。

 

多くの内向型は同時に「過度に敏感(ハイリ―・センシティブ)でもある。この言葉は詩的に聞こえるかもしれない。心理学で実際に使われている表現だ。敏感な人は普通の人よりも、ベートーベンのソナタに深く聞きほれたり、スマートな言い回しや特別な親切に強く感動したりしがちだ。暴力や醜悪なものを目にしたり耳にしたりするとすぐに気分が悪くなりがちだし、道徳心が強いことが多い。子供のころは「内気」だと言われ、大人になってからも他人から評価されるのが苦手で、例えば人前で話すとか、はじめてのデートとかではいたたまれない気分になるだろう。内向型と過度に敏感な性質との関連については、この本の中で追って詳しくお話しする。(P20)

 

「私は一頭立て用の馬で、2頭立てにもチームワークにも向いていない・・・・

なぜなら、明確な成果を手にするためには、ひとりの人間が考え、

指揮をすることが欠かせないとよく知っているからだ。」

 ―アルバート・アインシュタイン(P89

 

「これまで出会った発明家やエンジニアの大半は僕に似ている―内気で自分の世界に生きている。彼らはアーティストに近い。実際彼らのなかでもとくにすぐれた人たちはアーティストそのものだ。そして、アーティストは単独で働くのが一番いい。(中略)

もし君が発明家とアーティストの要素を持ったたぐいまれなエンジニアならば、ぼくはきみに実行するのが難しい助言をしよう―ひとりで働け。独力で作業してこそ、革新的な品物を生み出すことができる。委員会もチームも関係なく。

(P92) アップルの創始者スティーブ・ウォズニアックの言葉

 

著名な心理学者のハンス・アイゼンクによれば、内向型は「当面の課題に意識を集中させ、仕事と関係のない人間関係や性的な問題にエネルギーを浪費することを避ける」のだ。(つまり、人々がパティオで楽しく乾杯しているときに、裏庭でリンゴの木の下に座っていれば、あなたの頭の上にリンゴが落ちてくる確率が高いということだ。)ニュートンは偉大なる内向型のひとりだった。そして、ウィリアム・ワーズワースは自分自身を「永遠なる心、至高という奇妙な海を孤独に旅する」と表現した。(P94

 

 カフカは執筆中には愛する婚約者でさえ近づけたがらなかったそうだ。

 ―― 僕が書いているそばで座っていたいと、君は言ったことがある。けれど聴いてくれ、そうすると僕は何も書けなくなってしまうんだ。なぜなら、書くというのは、自分をなにもかもさらけだすことだから。そうした極限の状態に身を任せているその場に他人が入ってきたら、正常な人間ならば誰だって身がすくんでしまうはずだ・・・・だからこそ、書くときにはいくら孤独でも孤独すぎることはないし、いくら静かでも静かすぎることもないし、夜の闇がいくら深くても深すぎることはない。

(P110

 

もうひとつ、アーロンが気づいたのは、とても敏感な人は時として強く感情移入することだ。それはあたかも他人の感情や、世界で起きている悲劇や残虐な出来事と自分を隔てる境界が普通よりも薄いかのようだ。彼らは非常に強固な良心をもつ傾向がある。過激な映画やテレビ番組を避ける。ちょっと間違った行動を取れば、どんな結果が生じるかを、鋭く意識する。他の人たちが「重すぎる」と考える、個人的な問題のような話題に関心を注ぐことが多い。(P175)

 

内向型が外向型よりも賢いということではない。IQテストの結果からして、両者の知性は同等だ。そして、課題数が多い場合、とくに時間や社会的なプレッシャーから、複数の処理を同時にこなす必要があると、外向型の方が結果がいい。

外向型は多すぎる情報を処理するのが内向型よりもうまい。内向型は熟考することに認知能力を使い切ってしまうのだと、ジョセフ・ニューマンは言う。何らかの課題に取り組むとき、「100%の認知能力のうち、内向型は75%をその処理にあてるが、外向型は90%を充てる」と彼は説明する。これは大抵の課題は目標を達成するものであるからだ。

外向型は当面の目標に認知能力のほとんどを割り当て、内向型は課題の処理がどう進んでいるか監視することに認知能力をつかうのだ。(P214)

 

内向型の人は、自分が重要視する仕事や、愛情を感じている人々、高く評価している事物のためならば、外向型のようにふるまえる。(中略)

リトルによれば、内容が重要であり、自分の能力に適し、過度のストレスがかからず、他人の助力を受けられるようなコア・パーソナル・プロジェクトにかかわるとき、

私たちの人生は大きく高められる。(P262

 

内向型の特性を磨く方法

内向型の子どもに理想的な教育環境

内向型の子どもはひとつか二つだけの物事に興味を抱くことが多く、それを仲間と分かち合うとはかぎらない。時には型破りな情熱で興味の対象に取り組むが、そうした集中は才能を発展させるために必要とされるものだ。彼らが興味を頂くことをほめ、熱心に取り組むよううながし、心を同じくする仲間を見つけるのを助けてやろう。

クラス内にいなければ、クラス外にみつかるかもしれない。(P326

 

最後に一つ。内向型の我が子がどう考えても学校の人気者ではないと思っても、

心配しないように。子供の発達の専門家によれば、ひとりか二人とのしっかりした友情は子供の感情的。社会的発育にとって非常に重要だけれど、人気者である必要は無いのだ。内向型の子どもの多くは、成長すれば、素晴らしい社会的技能を身につける。

ただし、彼らなりのやり方で集団と関わるので、打ち解けるのに時間がかかったり、短時間しか付き合わなかったりするれはそれでいいのだ。社会的技能を身につけたり、友達を作ったりする必要はあるけれど、なにも学校で一番社交的な子供になる必要はない。だからといって人気者はつまらないという意味ではない。たぶんあなたは、我が子に用紙や頭の回転の速さやスポーツの才能を期待するのと同じく、人気者であって欲しいと願うだろう。けれど、自分の期待を押し付けず、満足できる人生を送るためにはいろいろな道筋があることを忘れないようにしようではないか。

(P330)